営農だより2016年9月
コンパニオンプランツについて
コンパニオンプランツと呼ばれる植物や野菜をご存じでしょうか?
異なる野菜を一緒に植えることにより互いの成長を促したり、
病害虫が発生しづらくなるなど有益な効果を持つ植物・野菜のことをコンパニオンプランツと言います。
コンパニオンプランツの様々な効果
コンパニオンプランツの効果がうまく作用すれば、使用する農薬や肥料を減らすことができ、
有機栽培などの観点から近年注目されています。
コンパニオンプランツの効果には
- 作物の成分や匂いなどで互いの成長を手助けするもの
- 収穫したい野菜の害虫に対して、天敵となる虫を誘引し、害虫の増えづらい環境を作る効果
- 一方の植物を病害虫のおとりとする方法など様々なものがあります。
互いの成長を手助けする組み合わせ
トマト×バジルの例があります。
バジルとトマトは相性が良く近くに植えてもよく育ちます。食材、料理の相性が良いのもうれしいところです。バジルの匂いはアブラムシなどの害虫に対して忌避効果があります。トマトとバジルの株間は30㎝程で植え付けます。バジルは茎先を摘み取り収穫すれば香りが強くなり、忌避効果が高まります。また脇芽が生えてくるのでどんどんと収穫できます。
害虫の天敵を誘引するコンパニオンプランツ
代表的な例として「ナス×ソルゴー」があります。ソルゴーとは2m以上にもなるサトウキビに似た植物です。ソルゴーは、ナスに付くアブラムシ類やアザミウマ類、ダニ類を防除する働きをします。ソルゴーにはアブラムシが好んで付着するのでその特徴を利用しアブラムシを誘引します。アブラムシを防除するのに、アブラムシを呼び込むというのは不思議に思うかもしれません。害虫には特定の作物を好んで加害し、他の野菜には無害なものがいます。ナスとソルゴーに付くアブラムシは別の種類で、ソルゴーに付くものはナスを加害しません。そしてアブラムシには天敵となる肉食性のカメムシやハチがおり、それらもつられてソルゴーに集まってきます。ソルゴーに天敵を誘引し住み家とすることでナスのアブラムシなどが増えづらい環境をつくります。
おとりとしてのコンパニオンプランツ
前述にあるように害虫には好みがあり、それを利用した栽培法があります。トマトの黄化葉巻病の原因となるコナジラミは実はトマトよりもマメ科の野菜を好んで食害します。それを利用しトマトの近くにマメ科を植えるとトマトに被害が出る前にマメの方にコナジラミがつくので、そこで防除しトマトに被害が及ばないようにします。
相性の悪い組み合わせ
コンパニオンプランツには相性の悪い組み合わせもありますので注意してください。
コンパニオンプランツの注意点
コンパニオンプランツは異なる野菜を密植することが多くなります。そこで問題になるのが農薬散布です。農薬は作物ごとに使用登録があり、登録がない作物に対して使うことができません。密植している場合どちらか一方だけにかけるのが難しくなるので、双方に登録が取れていない場合の使用は避けてください。また両方に登録がある場合でも倍率の高い方に合わせ、使用回数も少ない方を基準としてください。
参考資料・図の出典/「やさい畑2013春準備号」(一社)家の光協会
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