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キャベツ

三浦半島がキャベツの大産地って、ほんと・・?

温暖な気候に恵まれ生産された三浦半島産キャベツは、「横須賀キャベツ」としてかながわブランドに登録されています。
JAよこすか葉山管内では、およそ400ヘクタールの農地で約120万ケースを生産し地域の特性を生かした直売と量販店向けの新品種の生産も進めています。
今では、三浦半島全体で年間450万ケースが出荷され、国内有数のキャベツ産地となっています。

品種と特徴は・・?

早春キャベツ
春キャベツ

三浦半島産キャベツは、大きく分けると「早春キャベツ」と「春キャベツ」の2種類で、「早春」は11月下旬から3月上旬まで、「春」は3月上旬から5月上旬までつくられます。
「早春キャベツ」の特徴は、真冬のキャベツなのに、柔らかくて甘いこと。これは、三浦半島の温暖な気候のお陰で、他産地が春キャベツとして栽培している種を冬につくれること、さらに堆肥をたくさんつかった農家の土づくりや、農業試験場やJAによる品種の選抜など、努力の結晶といえます。
「春キャベツ」は、柔らかさと甘みがさらに増し、まさに生食向きのキャベツです。

環境保全型農業への取り組み

JAよこすか葉山の冬・春野菜出荷部会では、管内のほぼ全域の農地にフェロモントラップ(害虫捕獲器)を設置して、農薬の散布回数を減らす環境保全型農業を実践しています。キャベツの害虫のひとつに、ハスモンヨトウの幼虫(アオムシ)がいます。過去は農薬を使って、直接的にこの幼虫を殺虫していましたが、フェロモントラップはまったく違った考えに立っています。ハスモンヨトウの成虫であるオスの蛾を、メスのにおい(性フェロモン剤)で誘き寄せ捕まえるというもので、交尾の機会を減らし、産卵数を減らすことで、幼虫の発生率を抑えるというものです。また、飲料工場で廃棄されたウーロン茶かすやコーヒーかすを堆肥に混ぜたり、近隣の研修施設で作った残飯の堆肥を利用する農家もあります。三浦半島でつくられる野菜のキャッチフレーズは「自然の味・健康野菜」。JAよこすか葉山では、これからもおいしくて安全な野菜をみなさまに提供してまいります。

キャベツについて もっと知りたい

キャベツについて

一年中、市場や青果店の店先から品物の切れることがないキャベツは、大きさが手頃で扱いやすく、歯切れの良さと甘みのある口当たりで、白菜とともに葉を食べる野菜として、広く普及した日本の代表的野菜です。
キャベツの生育温度は平均気温で20℃と比較的冷涼な気候を好みます。
30℃以上の高温でも生育は衰えますが死ぬことはありません。また反対に5℃でも生育し、マイナス15℃でも越冬します。このように極めて環境適応性が広く、生命力の強いことも、現在欠くことのできない重要野菜の地位を獲得した理由の一つかもしれません。
冬期間の低温を過ごした後、春の暖かい日差しを受けるとキャベツは花をつけようとします。キャベツの中心にある花芽が伸び、茎の先に花が咲きます。これを「トウが立つ」といいますが、丸くなったキャベツを割って花芽が伸びてくるため、商品価値がなくなるので農家はこの現象を嫌います。現在は選抜されたF1という種を買って播いているので、花を咲かせて種をとるという作業は必要ないのです。キャベツにとっては子孫を残すという大事な作業が、農家にとっては嫌われるというのもかわいそうな気がしますね。
キャベツは「甘藍(かんらん)」、あるいは群馬県あたりでは今でも「たまな」と呼ばれ、英名ではCabbege(キャベジ)。そうあの胃腸薬キャベジンはこの英名からきているのです。
キャベツ一族には個性派が多く、日頃見かける普通のキャベツのほかに、カリフラワー、ブロッコリー、芽キャベツ、コールラビー、葉ぼたんもアブラナ科の仲間で、縁者ともなるとさらに多彩です。

キャベツはなぜ丸いか?

植物は花を咲かせて子孫を残すもの。だから、大切な花の芽を覆って守る性質を持っているのです。その性質の強いものを人間が選び、選抜して今のキャベツになったと考えられます。また、葉が丸まる科学的根拠としては、光の影響で葉の内側と外側でホルモンの形成に差ができるため、葉が内側に曲がるといわれています。そのホルモンの正体は、まだ完全に解明されていませんが、オーキシンまたはエチレンといわれ、実験ではキャベツの結球開始直後にエチレンの生成量が最大となっています。つまり、葉が丸まる引金になっているのは、植物ホルモンのエチレンといえそうです。

胃腸障害に効果的!

一般に収穫したばかりのキャベツの成分は水分が92.3%もあり、外側の葉にはビタミンAが多く含まれています。ビタミンB1、B2はレタスと同じくらいで、全体としてはビタミンCが多い野菜です。また、抗潰瘍成分と呼ばれるビタミンUのほか、各種の酵素も多く、ジアスターゼ、ペプシン、トリプシン、バーオキシターゼも豊富で、胃腸薬キャベジンでお馴染みの通り、胃腸障害に働きます。

原産地と来歴

キャベツの原産地は地中海沿岸からアジアと考えられ、多年生の不結球の野生種から発祥しています。歴史は古く、紀元前2500年から2000年には栽培されていたようです。ただし、古代ギリシャ時代や、わが国に初めて伝わった頃(江戸時代中期)のキャベツは、結球しない葉キャベツであったと思われ、鑑賞用だったようです。現在のキャベツの形をしたものの渡来は明治に入ってからです。最初は北海道に土着した丸型キャベツで、冷涼地の春まき栽培から始まりました。明治末期には関東以南の地帯で、現在、春系キャベツと称する暖地の秋まき春どり栽培が行われるようになって一層栽培が広がっていきました。

三浦半島・横須賀での歴史

キャベツの栽培はダイコンに次いで古く、明治25年頃といわれます。大正14年には武山地区で「早生キャベツ」の共同出荷が実施されています。その後、作付け面積も次第に増えましたが、品種的にはあの懐かしの「冬キャベツ」「寒玉(かんだま)キャベツ」が多かったのです。現在のような、やわらかいキャベツは、昭和41年に三浦市で「金的」という品種が栽培され、これが早春キャベツの最初となりました。現在、つくられている「金春(きんしゅん)」という品種が導入されたのは昭和52年です。昭和41年、横須賀市が三浦市とともに野菜生産出荷安定法に基づくキャベツの国の指定産地となって、すでに30年以上が経過しています。

ダイコン

三浦半島のダイコン生産

関東地区の冬ダイコン生産量ナンバー1は、ここ三浦半島。三浦市を中心に600万ケースが出荷されています。当JA管内でも長井地区などで生産され、高い品質を誇っています。白首の三浦ダイコンも直売向けなどで生産が伸びてきました。

ダイコンのおはなし

江戸っ子の味は白首ダイコン

昔、関東でダイコンと言えば、白首大根と総称される練馬大根とか三浦大根でした。根が地中深く育ち、形も大きく、色はどこをとっても真っ白なダイコンで、ピリツと辛い味が特徴でした。
しかし、古くは練馬と三浦のダイコンは多少形が違っていて、練馬はどちらかというとスマートで、三浦は中太りのずんぐりとした形だったようです。ただし、「この品種でなければ三浦ダイコンではない」という取り決めもなかったようなので、品種が掛け合わされていくうちに、三浦半島の畑でつくられ、白首で太いものは「三浦ダイコン」ということになりました。現在の品種でいうと、分場系、石井系、中葉、黒崎三浦、竜神三浦などがあります。

若年層に支持される青首ダイコン

さて、この三浦ダイコンの味が懐かしい、という声をよく聞きます。関東では前記の通り白首ダイコンが主流だったのに、いまや青首が全国制覇。その理由の一つとして「甘みを好む消費者嗜好が青首に軍配をあげた」ともいわれますが、果たして本当なのか? 日本テレビ系「所さんの目がテン!」という番組で、ある実験が行なわれました。まずは女子大生21人に、白首と青首をおろして食べてもらいました。すると「青首はおいしい」「白首はから~い」。結果は15対6で青首の勝ち。次は、おばあちゃんの銀座と呼ばれる巣鴨地蔵通り。熟年女性28人で実験。結果は正反対で「やっぱり、白首が本当のダイコンだよ」「青首はお子ちゃまの味」というわけで20対8で白首の勝ち。世代の差がくっきりと出た形で、食卓の主導権を若い世代が握っているといえそうです。

農家がつくりやすいという理由も

青首全国制覇の影にはもう一つ農家サイドの事情もありました。1974年に登場した新品種「耐病総太り」は、宮重系の青首を改良したもので、ス入りが少なく、病気に強い。つまり作りやすい品種で、そのうえ大きくて、長い白首に比べ収穫もラクだったのです。
白首ダイコンを収穫した経験のある方なら、腰を入れて回すように抜かなければならないことはご存知だと思います。前記のTV番組の調査では、青首を抜くときにかかる重さは10kg。白首(約75cm の練馬ダイコン)は、なんと4倍の40kgも必要でした。これでは腰も痛くなるわけです。そして忘れてならないのが、79年10月に三浦半島を襲った台風です。畑は壊滅状態となり、仲買人の勧めで「耐病総太り」を播いたところ、見事に畑は復活。それ以来、三浦の畑は安定生産のできる青首に変わりました。

<参考文献>
日本テレビ発行「所さんの目がテン!」
インターネット・ホームページ=独立行政法人 農畜産業振興機構/北海道立中央農業試験場
HokkaidoAgriculture Online

ダイコンの栄養価

ダイコンには、根、葉ともに多くの有効成分が含まれているため、色々な薬効があり、古くから民間療法に用いられています。例えば、皮のついたまま、さいの目に切ったダイコンを蜂蜜か水あめに1~2時間漬けたものは、ノドの痛みや炎症に効果があります。また、ダイコンのおろし汁を飲むと、二日酔いや食べ過ぎによく効きます。そして、若い方に勧めたいのはニキビの手当て。おろし汁を脱脂綿につけて、ニキビを軽くたたくと、ダイコンに含まれる脂肪分解酵素とビタミンCの作用できれいな肌に戻ります。おろし汁をガーゼに染み込ませて患部に貼ると、肩こりにも効きますよ。

カボチャ

特産ブランド「こだわりかぼちゃ」

「カボチャ」は三浦半島の温暖な気候に恵まれて栽培され、6月~8月が最盛期です。JAよこすか葉山からは、京浜市場を中心に年間およそ90,000ケースが出荷され、ホクホク感と甘味で、とても高い評価を得ています。
中でも、独自で開発した「こだわりかぼちゃ」は特産ブランドとして人気を集めています。

完熟「こだわりかぼちゃ」はここにこだわっています
  • 肥料のこだわり
    特別にブレンドした有機質肥料(ぼかし堆肥)を使用して栽培しています。
  • 完熟を確認
    収穫、出荷時期を確認するために畑で試し切りをして、完熟具合を調べています。畑でじっくり熟すのをまってから収穫しています。
  • 目合わせ
    選別基準をもとに、形やキズ、日焼けなどの選別を十分に行い規格通りに出荷しています。
  • 栽培履歴簿と防除管理日誌の記帳
    種まきから収穫までの栽培履歴の記帳と、農薬の安全使用の証明を防除管理日誌に記帳し、消費者へ安全で安心な農産物を提供しています。
    こうして畑で完熟が確認されたもののみ特産品として出荷されています。だから栗のようにホクホク。栄養満点なのです。
カボチャの歴史

カボチャは、別名「南瓜(なんきん)」と呼ばれ、原産地はアメリカ大陸。メキシコの洞窟で紀元前数千年前の地層から種が発見されています。コロンブスによって馬鈴薯などとともに、ヨーロッパに持ち帰られて世界中に広がりました。日本には、ポルトガル人により16世紀中期に九州に伝えられ、17世紀初期には九州で栽培されました。カボチャが渡来したのは東南アジアの「カンボジア」から。カンボジアがなまって「カボチャ」と名づけられたようです。

もっと知れば、もっと美味しい

「カボチャは成熟するにつれ甘くなるので、「完熟かぼちゃ」の甘味はピカイチ!サツマイモ、ジャガイモとならんで、女性に好まれる野菜のひとつです。そんなカボチャの栄養にもこだわってみましょう。

  • カボチャは美容食?!
    カボチャはβ-カロテン、ビタミンB1、B2、C、E、でんぷん質、ミネラル、食物繊維などの栄養バランスがよく、美容と不老長寿に欠かせない成分がぎっしりつまっています。カボチャの果肉が黄色いのはβ-カロテンがたくさん含まれているから。β-カロテンは肌や粘膜を丈夫にし、体に抵抗力をつけます。ビタミンCはトマトの3倍くらい含まれ、コラーゲンを作る働きがあります。さらに、ビタミンEの含有量も野菜のトップクラス!若返りのビタミンとも呼ばれ、肌のうるおいやハリを保ちます。カボチャは女性の味方です。それだけではありません!β-カロテンとビタミンC、ビタミンEはトリオを組んで、強力にガンを撃退します。
  • カボチャは低カロリー
    甘味とボリューム感があるのでカロリーが高いと思われがちですが、実はサツマイモの123kcal/100gより低く、西洋カボチャは73kcal/100gなのです。

カボチャの栄養素

  • β-カロテン〈ビタミンA〉
    ワタにはβ-カロテンが果肉の5倍、皮には3倍含まれる。皮膚、粘膜の健康を保ち、薄暗いところでの視力維持、抗ガン作用などに働く。
  • ビタミンC
    でんぷんにガードされていて、加熱調理による損失が少ない。抗菌作用、抗ストレス作用、免疫力を高める、コラーゲンの生成に関与するなど。
  • ビタミンE
    若返りのビタミンで老化を防ぎ、血行をよくしたり、ホルモンの分泌をよくする働きは知られているが、活性酸素を抑制する点にも注目したい。

*食べ方のコツ

  • 油を使って調理したほうが、β-カロテンの吸収を高めます。
  • 皮や周縁部の栄養価が果肉の部分より高いので、皮つきのまま料理するほうが得策です。

*保存のしかた

  • 丸ごとのカボチャは長期保存が可能です。風通しのよい冷暗所におけば、かなりもちます。
  • カットしたものは冷蔵するか、一口大に切って加熱し、冷ましてから冷凍します。

参考資料「食べものが効く!」家の光協会
「とれたて菜園の元気野菜」万来舎

よこすか水なす(サラダ紫)

神奈川県農業技術センターが民間種苗会社と開発した、サラダでもおいしく食べられるなすです。
形はやや小ぶりな巾着型で、水なすをかけ合わせた品種のため、果実を強く握ると果汁が出るほどジューシーで、ずっしりと重量感があります。
一般品種に比べて糖含量が多く、果実を切った後も変色しにくく、皮と果肉がやわらかめで、生で食べるとりんごのようなサクサクとした食感があります。

*オススメの食べ方

手軽に楽しめる浅漬けをはじめ、イタリアン系ドレッシングとの相性が良いので、さっぱりとしたサラダもオススメです。
アク抜きの必要がなく、加熱調理する際は火の通りが早いため、手軽に調理できます。また、水分が多いので油がしみ込みにくく、天ぷらもヘルシーに仕上がります。トマトソースベースの料理にも相性バツグンです!