JAよこすか葉山_JA通信3月号
9/15

〇低低予3低3中低治予33〇〇Farming Letter9薬剤耐性菌とは殺菌剤のローテーション散布総合防除(IPM)とは最後に同じ殺菌剤を連用すると、その剤が効かない病原菌が増加し、防除効果が低下してしまいます。このような病原菌を「薬剤耐性菌」と呼びます。三浦半島では2011年にRACコードが1(トップジン等)および11(アミスター等)に耐性のあるつる枯病菌が多数確認されています。薬剤耐性菌対策としては、作用機作が違う殺菌剤のローテーション散布が効果的です。登録のある剤の中から前回使用した薬剤のRACコードと違うものを選び、連用しないようにしましょう。また、一般的に予防剤は病原菌への作用点が複数あるため耐性菌が発生しにくい(表1のRACコードに「M」が付いたもの)特徴があり、RACコードから薬剤耐性菌の発生しやすさ(耐性リスク)を知ることもできます。ローテーション(表2)は以上のことを考慮して作成しています。生育初期は耐性リスクの低い予防剤を早めに散布し、中期以降は病害を確認したら、治療剤を使用します。なお、栽培後期は高温と着果負担を考慮し、薬害対策としてRACコード11の剤(アミスター等)の使用は避けましょう。連作の場合は、病原菌が畑や周辺に存在すると考え、感染や発病を防ぐ対策が重要です。トンネル被覆(先がけ)は、病原菌の飛び込みや水を介して蔓延しやすい病害の感染予防効果があります。ネット等、使い回しをする資材の消毒も効果的です。また、摘果による着果負担の軽減も重要です。も含め、さまざまな方法を組み合わせた病害防除を「総合防除(IPM)」と呼び、防除効果と耐性菌発生リスク低減の観点から推奨されています(図1)。の農作物の病害虫にも共通した内容です。農薬を選択する際の参考としていただければ幸いです。なお、農薬の使用にあたっては適用作物、病害虫、希釈倍率、収穫前日数などをよく確認してください。このように、農薬以上のポイントは、スイカの病害に限らず他〇〇〇〇〇〇予予低M01+M02低〇〇治予中低薬病害図1 総合防除(IPM)散布時期(参考)15月下旬26月上旬36月中旬46月下旬57月上旬40+M05低~中治プロポーズ顆粒水和剤67月中旬77月下旬※適用(登録)病害 つ:つる枯病、 炭:炭そ病、 う:うどんこ病 (2024年2月1日現在)イデクリーン水和剤は、「ウリ類」としての農薬登録です。収穫前日数が「―」の場合は制限がないことを意味します。収穫前日数7〇〇適用病害希釈倍率つ炭う400~600700~10007005kg/10a1000前日〇〇〇―低~中予セイビアーフロアブル20前日〇〇400~800〇100060014400~80010001000前日〇1000~2000700~10007005kg/10a20001000前日〇〇〇前日〇■■■■■■■■■■■■■■■■■■耕種的防除農薬に関する情報は、2024年2月1日までの農薬登録情報に基づいて記載しています実際の農薬使用に際しては、あらためて使用基準を確認しましょうRACコード(FRAC)耐性リスク薬剤名予防治療予ジマンダイセン水和剤(使用ポイント)M03M05ダコニール1000ダコニール粉剤(降雨時)M07ベルクート水和剤イデクリーン水和剤12M04予オーソサイド水和剤80M07+19ポリベリン水和剤M05ダコニール1000ダコニール粉剤(降雨時)スコア顆粒水和剤カッパーシン水和剤24+M01・初期の予防的散布農・作用機作(RAC)によるローテーション・薬剤耐性リスク・多点作用剤の活用<注 意>物理的防除・トンネル被覆(先がけ)・資材の交換 消毒(ネット等)

元のページ  ../index.html#9

このブックを見る