JA通信 vol320
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牛ふん堆肥を配合した指定混合肥料(エコレット236)の特性最後にFarming Letter9※本研究は、農水省委託プロジェクト研究「水田作及び畑作における収益力向上のための技術開発」「生産コスト削減に向けた有機質資材の活用技術の開発」及び全農肥料委託試験により実施されました。コマツナのポット栽培試験での窒素肥効評価では、同成分量の化学肥料(硫安)と同等の生育が認められ、コマツナの窒素吸収量も、同成分量の化学肥料(硫安)と同等の窒素肥効を示しました。また、チンゲンサイのポット栽培試験でのリン酸肥効評価では、同成分量の化学肥料(過リン酸石灰及び重焼リン)と同等以上の生育が認められ、リン酸吸収量でも同成分量の化学肥料施用区を上回り、化学肥料と同等以上のリン酸肥効を示しました。続いて、圃場栽培試験(レタス、スイートコーン、ダイコン)で本製品の肥効特性を評価したところ、化学肥料施用区と比較して同等以上の生育を示しました。また、レタス、スイートコーン、ダイコン連作後の土壌におけるpH、石灰、苦土は、本肥料で高い傾向にあり、全炭素含量では違いはありませんでしたが、可給態窒素(地力の指標 評価)は化学肥料区に比べ高い傾向にありました。肥料の土壌中への埋設試験で肥料中有機物の残存性を評価したところ、540日後(18ヶ月後)の炭素(有機物)残存率は本肥料48・5%であり、対照とした有機化成(17・7%)と比べ、高い残存率を示していました。学肥料と同等か同等以上の肥効を示し、圃場栽培試験でも通常の化学肥料と比べ、良好な成績が得られました。また栽培後の土壌や有機物の残存状況から、地力維持への貢献も期待できることがわかりました。の低下が懸念されています。これらの肥料製品を地力の維持増進に役立てていただければと思います。化学肥料と堆肥や土壌改良資材などを混合して肥料製品が生産できるようになりましたので、今後、使用者のニーズに即した様々な肥料製品が流通することが期待されます。以上のように本肥料は窒素、リン酸とも、化三浦半島地域では、堆肥の施用が減少し、地力また、今回の肥料法への改正で、より柔軟に各種作物栽培試験での収量※Tukey-Kramer法の多重比較検定により異符号間に5%水準で有意差あり各資材の有機物残存量の変化80℃16時間熱水抽出有機態炭素による

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