JA通信 vol310
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1 とても寒がりで冷房が苦手2 手や足など体の一部が冷えてつらい3 寝るときは湯たんぽや 電気毛布が欠かせない4 お風呂に入っても すぐに冷えて寝付けない5 頭痛、肩凝り、むくみで悩んでいる6 下痢や便秘がひどい●! こんな人は要注意6●監修/北里大学東洋医学総合研究所  漢方鍼灸治療センター センター長 鈴木邦彦●イラスト/服部新一郎JA広報通信2020年11月号転載特集 「冷え性」と「冷え症」。二つの書き方の違いは知っていますか? 「冷え性」は冷えに敏感な体質のこと。 一方「冷え症」は体が冷えてつらい状態が続き、食欲不振や倦怠(けんたい)感、頭痛、便秘などを引き起こすもので、東洋医学においては治療の対象となります。 人それぞれ症状も違い、検査では異常が出ないため、西洋医学の治療対象にはなりません。でも冷え症は万病のもと! 放置するとホルモン、神経、免疫機能のバランスが崩れ、抵抗力が落ちたり、持病の悪化につながったりもします。 私たちは体内で熱エネルギーを作り、血液によって隅々まで運び、余分な熱は放散しています。熱を作るのは(1)基礎代謝、(2)食事、(3)筋肉運動、(4)ホルモンの四つの作用。熱の運搬は血管と心臓が担います。また熱の放散は自律神経でコントロールされています。冷え症は、そのどこかの段階に支障がある場合に起きます。 高齢になると特に基礎代謝や自律神経調節機能が低下し、いっそう冷え症を招きやすくなります。 冷え症は、症状と原因によって「四肢末梢(まっしょう)タイプ」「内臓タイプ」「下半身タイプ」の3タイプに分かれます。一番多いのが下半身タイプ。加齢とともに男女とも増えていきます。四肢末梢タイプは若い女性や痩せて小食の女性、内臓タイプは中高年の女性に比較的多く見られます。また、複数のタイプの複合型もしばしばあります。 日常でできる対策としては、まずは熱を作る食事と筋肉運動をしっかり確保すること。熱の必要以上の放散を防ぐ=保温することも大切です。ただしタイプによっては効果のない場合もあるので注意が必要でしょう。また入浴、趣味の時間などを通してリラックスすることも自律神経の働きを高めるのに役立ちます。 そして、それでもつらさが続くときは、東洋医学による治療を検討してみるのがお勧めです。気温が下がってくると悩みの声が増えてくるのが、体の冷え。夏場でも冷えに困っている人は多いですが、やはり冬のつらさはひとしおです。そもそも「冷え症」とは何なのでしょうか? そして効果的な対策は?東洋医学の知恵に学んで、この冬を快適に乗り切りましょう!あなたの   はどのタイプ?四肢末梢タイプ 手足の末端が冷えるタイプです。カロリー不足や運動不足などが原因。熱エネルギーが少ないため交感神経が過剰に働き、末端の血管を収縮させて血流を阻害しています。まずは熱源として十分なタンパク質を摂取し、適度な運動を。手足の先を外から温めても解決しません。保温するなら首回りや手首、おなかを。内臓タイプ 体の芯から冷えを感じるタイプ。体質や生活習慣、ストレスなどで交感神経の働きが低下し、血管が拡張しやすく、保温機能が弱っているために起きます。食事、睡眠などの生活習慣を見直すと同時に、熱を逃がさないよう、保温性が高い衣類を。軽い運動も必要ですが、汗で冷えないよう注意。下半身タイプ 顔は火照るのに足が冷たいタイプです。座りっ放しや運動不足で腰やお尻の筋肉が凝って座骨神経を圧迫し、腰から爪先への血流が悪くなるために起きます。足先の保温や足浴では効果はありません。腰や脚部のストレッチで血流を改善しましょう。腰痛、座骨神経痛などがある場合は治療も必要です。寒い季節もぽっかぽか新習慣で冷え症対策冷え症は放置すると万病のもと症状と原因の違う三つのタイプ「冷え」

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