JA-tsushin_vol291
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多少 Farming Letter9一般的に成虫の発生は、4月頃から確認できますが、4~7月頃までの発生量は少ない傾向となります。8月以降、徐々に発生が目立つようになり、9~10月に発生のピークとなります。なお、年間の成虫の発生時期と発生量のイメージは、図1のとおりです。①ハクサイを使う(キャベツ、ブロッコリーより④被害株は速やかに除去(いま見えている被害が、「シンクイムシ」の被害を効果的に防ぐには、成虫の発生をなるべく早く把握することが重要です。前述のとおり、「シンクイムシ」はキャベツやブロッコリーよりもハクサイを好むといわれています。そこで、農業技術センター三浦半島地区事務所では、平成30年(2018年)7月からハクサイを簡易栽培し、被害発生時期を把握するための簡単なモニタリング調査を行いました(図2)。この方法のポイントは次のとおりです。被害が出やすい傾向を利用)②定期的に種まき(常に柔らかい植物体を準備)③定期的な観察(朝・夕の観察が理想)いつの被害かわからなくなるのを防ぐために)平成30年の調査では、8月2日に最初の被害を確認し、少なくとも7月下旬から成虫が産卵をしていることが推測できました。皆さんも庭先など、ちょっとしたスペースで、ハクサイを使った「シンクイムシ」被害モニタリングを利用し、効率的な防除に役立ててみてはいかがでしょうか?「シンクイムシ」はいつ頃発生するのか?ハクサイを使った簡単な被害モニタリング成虫発生量赤太線が成虫の発生時期と発生量を示す(線の山の高さが高いほど、その時期の成虫発生量が多いことを示す)図1 「シンクイムシ」(ハイマダラノメイガ)成虫  年間発生時期と発生量の一般的なイメージ図2 ハクサイ簡易栽培による「シンクイムシ」被害の簡単なモニタリング4月5月6月7月8月9月10月11月12月成虫が作物に産卵→卵からふ化した幼虫が作物を食害7月頃までの発生量は少なく推移8月頃から発生量の急増農業技術センターでは、2階建庁舎の2階ベランダに設置5mmセルトレイ簡易栽培(H30年7月3日栽培開始)成虫の発生ピークは9月後半から10月前半越冬「シンクイムシ」の初期被害は赤枠の写真のような状態となる「シンクイムシ」の初期被害は赤枠の写真のような状態となる・は種を、7日おきに実施→常に柔らかい植物体を準備・定期的な観察・被害が認められた株は、速やかに除去・かん水などの管理作業を考慮した場合、容量の大きな 栽培用容器での栽培も考えられる※この方法は、被害発生時期の始まりや、その後の発生状況の 推測への利用が期待できる農業技術センターでのモニタリングの様子(H30年実施)

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