JA通信10月号 vol.283
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農業用フィルム寒冷紗不織布(べたがけシート)フィルムには軟質のものと硬質のものと分かれています。軟質のものは農ポリと農ビに区分されてトンネルやハウス等に使用されます。硬質のものではフッ素フィルムとPETフィルムに区分されて屋根型ハウス等に使用されています。農ポリにはさらにポリエチレン(PE)、ポリ酢酸ビニル(EVA)、またこの二つを約3~5層の多層に成形した農POがあります。ポリエチレンは耐久性・耐塵性・透明性に優れ、ポリ酢酸ビニルは保温性・防滴性・防霧性に優れます。農POはこの二つを併せ持った特長があります。農ビと農ポリのそれぞれの特徴は表1のとおりです。作物や種まき後に張ることで被覆部を遮光して乾燥や暑さ避け、台風などの強風避けに使われます。基本2種類の目合いがあり、大きい目合いの#200(約1㎜)と小さい目合いの#300(約0・5㎜)となります。主に#200は定植したキャベツの台風避け、#300はキャベツの苗間や他作物の種まき後の日よけや虫除け、またダイコン畑の風除け等に使用されています。保温性はあまり高くないので冬場での保温効果には期待はできません。熱や樹脂で接着して組み合わせた布でできてい化学繊維を平織りにした布でできています。ポリエステルやポリプロピレンなどの素材をメリット種類Farming Letter8デメリット耐久年数【表1】軟質フィルムの特徴農業用ポリ塩化ビニルフィルム(農ビ)・初期透明性に 優れる・保温性がよい・防滴・防霧がよい・擦れや熱に強い・重い・汚れやすい・破れると 広がりやすい・寒さに弱い1~4年農業用ポリオレフィンフィルム(農ポリ)・軽い・汚れにくい・寒さや風に強い・防滴持続性がある・初期透明性が よくない・硬くて伸びにくい・擦れや熱に弱い・硫黄性農薬に弱い1~5年農業用資材の説明経済部 営農販売課 宮柱 晋也栽培において、作物に適した環境にすることにより環境ストレスの軽減を計り品質向上や増収栽培を見込むことができます各作物の好適環境にするためにそれぞれの性質を押さえて目的に適合した資材選択をしましょう

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